日々の残像V〜北鎌倉篇〜

大森元気 web log vol.5 - since nov.2016

あがた森魚3days~宇都宮悠日~足利探訪

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≪制作日誌はこちらからどうぞ≫

2週間以上経ってしまいましたが、あがた森魚3daysサポート+前座終了しました。楽しかったし、勉強にもなり、素晴らしい経験になりました。


◆1st day >> 代官山・晴れたら空に豆まいて(東京)

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インスタと重複している写真もありますが、順を追ってふり返ってみたいと思います。

1日目は代官山・晴れ豆。以前はよくお世話になっていましたが何気に久しぶりでした。客席が全面畳になっていてびっくりしました! 

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こちらはバンド編成のリハーサル風景。

オワリカラ×黒猫チェルシー×蜜の橋詰君からなる若手・豪華バンド。豪華なだけでなく、バンドとしてのまとまりも素晴らしかったです。以前もオワリカラ単体でコラボしていましたが、「NEWあがたバンド」 「今回は予告編」なんて言葉も目にしたので、今後このバンドで展開があるのでしょうか。とても楽しみです。

十数年ぶりの曲や(ひとさらいの唄)、新曲「タイムラグがいとおしい」もキャッチーだったし、「僕は天使ぢゃないよ」のファンキーなバージョンは本当にごきげんなので是非レコーディングして欲しいなあ!

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写真:あがた森魚オフィシャルtwitterより
vo.あがた森魚
gt.タカハシヒョウリ(オワリカラ)
ba.宮田岳(黒猫チェルシー)
dr.岡本啓祐(黒猫チェルシー)
key.カメダタク(オワリカラ)
ag.橋詰遼(蜜)


橋詰君(from"蜜”)とは彼がまだ大阪にいた頃に何度か対バンしたりしてまして、その後も東京で再会したり、あがたさんの現場で何度か一緒になったりしました。いつも腰が低く先輩を立ててくれて本当いい奴です。みんなの中ではいじられキャラになってますが笑。

ヒョウリ君とはちゃんと話したことないのだけど、僕が在籍していた“泰山に遊ぶ”や豚汁君を通じて何度もニアミスしてますね。彼のエレキギターを見ると、自分が若いころ得意としていたような、でも今は失いかけてるプレイスタイルであったり、ひりひり感・エッジみたいなものがほとばしっていてとてもザワザワします。それでいて巧さも両立しているから尊敬と悔しさの混じった感情になりますね。イケメンだし!サウスポーだし!(ヒガミです笑)...しなくていいのに勝手に変な対抗意識を燃やしてしまうようなところがあって「自分ちっちぇーな!」と我に返って恥ずかしくなったりします苦笑。(要するに大好きってことです。)

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さて話を戻しまして。この日はこんな流れでライブは進んでいきました。

1.弾き語りから始まり、
2.アコースティック編成(w/高橋圭作+大森元気)
3.バンド編成
4.再び弾き語り
そしてアンコールは全員で。

素晴らしい構成でした。MCもたっぷり。脇道に逸れたり唐突に違う話になったりするのは映画みたいだななんて思ったり。3時間越え、ボリュームたっぷり、新曲も、レア曲も、様々なあがた森魚を堪能することが出来ました。

それから高橋圭作さんのアコーディオン/ハーモニカも素晴らしすぎました....ご一緒できて本当に感激でした。


◆2nd day >> 宇都宮・悠日(栃木)

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つづいて2日目は宇都宮・悠日(ゆうじつ)です。

まずは僕がフロントアクトとして歌わせて頂きました。
1.TODAY'S SONG
2.rain rain rain
3.下北沢
4.拝啓、君は元気ですか?
5.日なたにて
6.ぼくの愛する暮らし(新曲/弾き語り初披露)

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5年前。今回と同じ企画者・埴田君という青年があがたさんのワンマンを企画、そこにフロントアクトとして僕を呼んでくれたのがすべての始まりでした。

以前の記事にも書きましたが、そこで予定では1~2曲だった共演が楽屋で盛り上がり、ステージ上でも増えて最終的に10曲くらい共演させてもらったのでした。翌日あがたさん本人から電話をもらい、3年連続でレコーディングに参加させてもらったり、プライベートスタジオでの制作現場に日々通わせてもらったりと、たくさんの縁に繋がりました。

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そういうわけで、その縁のはじまりの場所、悠日で記念撮影。

5年前はそういうわけで即興的なセッションでしたが、時を重ね、今回はただの合奏ではなくあがたさんとアンサンブル出来るようになった気もします。

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岩下食品さんの社長さんがあがたさんの大ファンということでライブにお見えになっていました。Twitterにはあがたさんのことはもちろんですが、僕のことも書いて下さっていまして、しかも嬉しすぎるお言葉...。ありがたい、、機材トラブル等もあって正直どうだったかな...と心配していたのですが本当に救われました。

岩下食品さんといえば新生姜ミュージアムインパクト満点のモニュメント・グッズ等で昨今話題騒然、噂は聞いていました。友人もライブをしていたので気になっていましたが栃木市にあったのですね。今度機会作って訪れてみたいです。

shinshoga-museum.com




◆3rd day >> 足利・JAZZオーネット(栃木)

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さて3days最終日です。僕は栃木出身なので実家から向かいました。同県内だけど足利って行ったことなかったなぁ。途中乗換えで25分待ち。こういう時間はとっても好きです(寒い日は別ですが...)。のんびりアイスでも食べながら。 

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さて会場のJAZZオーネットさんに到着(足利駅からすぐでした)。味のある建物が並んでいます。

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オーネットのお隣さん。あがたさんがえらい気に入って絶賛していました。

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こちらも同じ並び。「足利銀行駐車場」と書いてあります。ここでみんなで記念撮影。 

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(撮影:長島弘幸氏。この日の企画者でもあります)
あがた森魚、フロントアクトの「みどりかわさん」の二人、大森元気。 

フロントアクトのみどりかわさんも素敵でした。オフステージのほんわかした雰囲気がライブになると一転、お二人ともオーラがみなぎっていました。楽曲も演奏も素敵でした。ピアノの凹川(オーカワ)君とは、あがたさんのステージでもセッションできたりして、本当に楽しい夜になりました。

サポートに関しては1日目、2日目と経て、曲の解釈もどんどん変わって来ました。迎えた最終日。主役を立てながらも、悦に入った瞬間が何度もありました。まぁ油断してると変化自在のあがたさんに置いてかれてしまうのですが(笑)。そうなんです、変化自在の毎回違うステージ。3日連続で参加できたことは本当に興味深く、発見の連続でした。

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 (撮影:長島弘幸氏)

あがたさん、3日ともたっぷりとMCしていたのが印象的でした。想像と記憶があちらこちらに飛び回り、雑談が詩になり、そのまま即興の歌にもなっていきました。

普通の音楽ライブのように「曲の合間の繋ぎでMCをする」のではなく、まず前提としてお客さんに会いに来ている。そのとき考えていることをあれこれと話す。「デートには雑談が必要」という話にも納得。こうやってあがたさんはファンの人達とデートをしているのですね。

「僕とあなた“達”」ではなく、「僕とあなた、僕とあなた、僕とあなた.....」1対1だということも、いつもあがたさんが言っていること。 好きなだけ話し、沈黙の時間さえあえて作って楽しむ。そして歌を歌う。その1回のサイクルが10分にも20分にも及ぶこともあるけれど、ラジオみたいな捉え方をすればむしろそれで自然な気もしてくる。

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そしてその言葉たちがやっぱり映画的なんだなあ。とりとめのない雑談は詩でもあり、映画のコラージュやモノローグのようにも思える。

曲を立て続けにやっていく音楽的なライブも好きだけど、今のあがたさんのスタイルは芸術的で、楽曲や世界観を深く味わうためには必要ともいえるし、病みつきになる人が多いのもうなづけます。ブログ(なんとmixi!)や配布物(新聞)、そして記録映画(常に撮り、毎月公開していた!)のあふれ出す怒涛の言葉たちも、そういうライブのやり方も、楽曲も、ぜんぶ繋がっているのですね。

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終演後。(撮影:長島弘幸氏)

言葉のことばかり書いてしまいましたが、あがたさんの歌はあらためて凄かった。疲れも見せず、衰えもなく、リハから本番までずっと歌っていられる、あの歌声とエネルギー。どこから来るのでしょうか。本当に尊敬します。枯れることのないない新曲たちの瑞々しさと、往年の名曲たち。ひとたび「赤色エレジー」を歌えばもう今が1972年になってしまうんです。

名曲といえば、ダブルアンコールに「大寒町」をデュエットしたのは感慨深かった。言わずと知れた大名曲ですが、僕の休止中のバンド“花と路地”の初期にカバーしていて、そもそもバンド結成のコンセプトになった憧れの曲なのです。 はちみつぱいムーンライダースや自分アレンジやいろいろ混じっちゃいましたが(笑)とにかく、燃えました。


◆帰路~足利あれこれ
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帰路。はからずも途中で目をあげると「県(あがた)駅」。急いで撮ったので閉まりかけたドアが入っちゃってますが。昼は一面の田園風景(麦畑)だそう。 

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Google画像検索より

昼のあがた駅、検索したらこんなでした。めちゃくちゃいい景色!

そして、そうでした。岩井俊二監督の「リリィシュシュのすべて」のロケ地の1つなんですね。 

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この辺り(両毛線伊勢崎線)はリリィシュシュの他、同監督の「花とアリス」や、そこにリスペクトをこめた新海誠監督「秒速5センチメートル」のロケ地にもなっています。さらに手前味噌ですが残像カフェの「あたらしい日々」にも登場します。

それから、会場から少し歩けば森高千里さんの歌で有名になった渡良瀬川もあったのですね。ひとつ隣の橋が渡良瀬橋で、付近には歌の流れる歌碑や、歌詞に出てくる公衆電話もあったようです。

www.ashikaga-kankou.jp

こんなふうに数々のロケ地や、渡良瀬橋、そしてメジャーどころで足利学校やフラワーパーク等(巨大な藤棚はニュースやSNSを賑わしていました)見所たっぷりの足利。同県出身ながら全然来たことがなかったので、またゆっくり訪れたいと思いました。

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さて無事帰宅です。
実家に泊まることも考えたのですが翌日はGW明けの平日なので頑張って帰ってきました。終電間に合ってよかった...。

緑の匂いと雨の予感を含んだ夜風にあたりながら、縁側で1本だけ缶ビールを。新作のRECと編集作業→ベスト盤のリマスターとジャケ回り→誕生祭イベント→そしてあがたさん3デイズ....、年始からどどどっと駆け抜けてきました。まさに怒涛の春でしたねぇ...。今月まだいくつかミッションは残っていますが、ゴールデンウイーク最終日、とりあえず余韻と心地よい疲労の中、ほっと一息です。


【information】
■live
決まり次第お知らせします。
弾き語り/バンド問わず、お誘いもお待ちしております。

■item
自主レーベル10周年&30代の10年間を総括するBEST盤
『メランコリー~OOMORIGENKI 2009-2018 BEST』
 15曲入 CDR ¥1000(会場価格)
 全曲リマスタ、販売終了曲多数、新mix&追加録音あり。
 紙ジャケスリーブ仕様 / セルフライナーノーツ付
ライブ会場にて先行発売中。オンラインショップ・その他の発売日は決まり次第告知します。